【家賃よりローンの方が安いは注意】マンションの支払いはローンだけでない
「家賃よりローンの方が安い」は注意
マンション購入に関するセミナーや内見で、よく家賃に関するアンケートがあります。
この情報は、最終的に参考物件を紹介する際に、リノベーション費用を加えたローンの簡易見積もりや返済シミュレーションを行うために使用されます。
一部の営業マンは、次のような決まり文句を使います。
「現在の家賃が毎月10万円ですよね?住宅を購入すれば、ローン返済額は毎月9万円です。家賃を払い続けるよりもお得ですし、資産としても残りますよ。」
この話を聞くと、「家賃を払い続けるよりも、資産が残るなら買うべきかもしれない」と思ってしまうかもしれません。
しかし、実際には話と異なることが多いです。
購入後に問題が発覚しても、すでに遅い場合が多いです。そこで、以下のポイントに注意してください。
ローン以外にかかる費用をしっかり把握することが重要です。
月々の支払いには、ローンの他に管理費や修繕積立費も含まれます。
また、年間で固定資産税や火災保険などもかかります。
多くの場合、家賃よりもローン+追加費用の方が高くなることがあります。
業者から概算見積もりを提示された際には、必ず+αの費用が含まれているか確認してください。
ほとんどの場合、これらの費用は含まれていないことが多いです。
重要なのは、この仕組みを理解し、質問をすることです。
「固定資産税はいくらですか?」「毎年の費用にはどんなものがありますか?」と質問してみてください。
営業マンは「この人は知識がある」と感じ、結果的に騙されづらくなります。
知識がある購入者に対しては、企業も利益を取りづらくなることを理解しておきましょう。
今回も購入者目線でのブログとなっております。最後までご覧ください。
このブログを読むとわかること
- ローン以外に掛かる費用がわかる
- 多くの場合で、家賃よりローンの方が安くないがわかる
- 悪い営業マンに騙さないポイントがわかる
ローン以外の掛かる費用
月額掛かる費用の項目
管理費や修繕積立金については、見積もりの段階で現在の金額が反映されるのが一般的です。
しかし、説明時にこれらの項目について触れない業者がいる場合は、その業者とは付き合わない方が良いでしょう。
これらの費用が見積もりに含まれていない場合、後々金額に関して問題が生じる可能性が高いです。
管理費
管理費とは、分譲マンションの共用部分や設備を維持・管理するために、マンションの各住戸所有者が毎月支払う費用です。
一般的な分譲マンションの管理費の平均は月額15,000円です。
相場としては、約200円/㎡(タワーマンションでは300円/㎡)です。
例えば、60㎡のマンションであれば、約12,000円が相場となります。相場よりも安い場合は、注意が必要です。
また、管理費は人件費などが含まれるため、インフレや管理会社の変更により金額が上昇する可能性があります。
将来的な変動も考慮しておくことが重要です。
修繕積立金
修繕積立金とは、マンションの建物や設備の将来的な大規模修繕や改修工事に備えて、住戸所有者が毎月積み立てる費用です。
マンションは年月が経つにつれて劣化し、外壁や屋根、設備などの修繕が必要になります。
これらの修繕には高額な費用がかかるため、事前に住民全員が負担を分担し、計画的に資金を積み立てる仕組みが修繕積立金です。
- 一般的な分譲マンションの管理費の平均は月額11,000円
- 一般的なマンション: 200円~250円/㎡
- 設備が充実したマンション: 300円~400円/㎡
修繕積立金には、「均等積立方式」と「段階増額積立方式」の2種類があります。
国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、均等積立方式を採用しているマンションの割合は41.4%、段階増額積立方式を採用しているマンションの割合は43.4%です。
段階増額積立方式を採用している249例のデータによると、長期修繕計画の計画当初から最終計画年までの値上げ幅の平均は約3.58倍に達しています。
例えば、新築時に月額10,000円だった修繕積立金が、最終的には35,800円を超える可能性があります。
このことから、築浅の中古マンションを購入する際には、修繕積立金の将来的な増額に注意が必要です。購入後、翌年に修繕積立金が上がる可能性もあります。
特に、老後も住み続ける予定の方は、定年後の修繕積立金の額を予想し、ライフプランに組み込むことをお勧めします。
インフレの影響も考慮して、現在の修繕積立金に加えて、将来的には月額10,000〜20,000円を追加で見込むことが無難です。
年間で掛かる費用
固定資産税
課税標準額に税率を掛けて、固定資産税額が決まります。
税率は市町村によって異なり、一般的には1.4%前後です。
賃貸物件では発生しない費用で、一般的なマンションの相場は年間で10〜12万円程度、月額にするとおおよそ1万円です。
より正確な税額を知りたい場合は、物件の評価証明書を取り寄せるか、税理士や市の固定資産税担当窓口に相談してください。
この金額は無視できない大きな出費です。
営業マンが自発的にこの情報を提供することは少ないため、購入者側から積極的に確認することが重要です。
火災保険・地震保険・水害保険
固定資産税は年間で支払うことが一般的ですが、複数年にわたって支払う場合もあります。この費用も考慮に入れるべきです。
相場としては年間で2.5万円程度掛かりますが、賃貸物件の相場は年間1.0万円です。
つまり、ここだけで年間1.5万円の差額が生じることになります。
また、火災保険についても理解を深めるための記事を書きました。
詳細については以下のブログをご覧ください。
場合によっては費用が掛かるもの
少額ですが、月で数千円になる場合もあります。
駐輪場代
分譲マンションですと、1台あたりで費用が発生する場合が多いです。
年間で数千円程度の費用がかかることが一般的です。
町内会費
町内会費が徴収される場合もあります。
年間で数千円程度の費用がかかることがあります。
費用が戻ってくるもの
住宅ローン控除については詳細に説明すると長くなりますので、以下のブログをご参照ください。
実際に計算してみた
下記が、仮に4,000万円を借入れた場合の想定シミュレーションになります。
条件 中古マンション 60㎡ 借入4,000万円 変動金利 0.65% 35年ローン
元金分返済 | 9.5万/月 |
金利返済分 | 1.1万/月 |
管理費 (60㎡×200円) | 1.2万/月 |
修繕衝立費 (60㎡×200円) | 1.2万/月 |
火災保険(年額 21,000円/12カ月) | 0.17万/月 |
固定資産税(年額 120,000円/12カ月) | 1.0万/月 |
14.2万/月 |
この条件の場合、月額費用は14.2万円になります。
同様の条件で賃貸物件を探すと、管理費込みで11.5万円です。
火災保険は年間1.0万円で、月額に換算すると0.1万円程度です。合計で11.6万円となります。
これから分かることは、家を購入する場合、同等の賃貸物件に比べて、月額で2.6万円の差額が生じます。
修繕積立金の将来の増額分を考慮に入れていないため、将来的には差額がさらに大きくなる可能性があります。
また、賃貸では2年ごとに更新手数料がかかりますし、購入物件に比べて室内の仕様や共有部のグレードが異なることが多いです。
単純に同じ条件では比較できませんが、中古マンションを購入する場合、月額の支払いは賃貸よりも高くなるという結果が出ました。
住宅ローンだけを見ると、住宅購入が安くなるように見えるかもしれませんが、実際にはその差額が大きくなることを考慮する必要があります。
【まとめ】マンションの支払いはローンだけでない
簡易な計算では、家賃よりも中古マンションを購入した場合、月額の支払いが高くなることがわかります。重要なのは、この点を理解してから購入することです。
私自身は、予算の範囲内で好きな家に住むことを推奨します。
1日の24時間のうち、家で過ごす時間は約半分です。専業で家事をしている人なら、さらに多くの時間を家で過ごすことになるでしょう。
だからこそ、お金をかけて快適な住環境を手に入れることは非常に重要だと思います。
好きな間取りで快適に生活できることは素晴らしい体験です。
数万円の違いでその幸せを手に入れられるのであれば、ぜひ購入を検討してみてください。
下記の「モゲチェック」は、有名で評判の良い住宅ローン比較のサイトです。私自身もここで比較しました。
下記は、私がローン申請をする前に読んだ本です。わかりやすく、おすすめです。
[itemlink post_id=”1122″]最後まで読んでいただき、ありがとうございました。